第9条の法的性格

2015年6月23日 / 未分類

日本国憲法の第9条には、「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」の3つがあり、これが憲法前文とともに「平和主義」の規定でもあります。日本国憲法が「平和憲法」と呼ばれているのは、ここに起因しています。この法的性格として、理想的規範として法規範性はないととらえる説、法規範性はあるものの裁判規範性は低いととらえる説、法規範性も裁判規範性もあるととらえる説、そして両方が認められつつも国際情勢が変化していることを受けて憲法の変遷が求められているとする説があります。2番目の法規範性はあるものの裁判規範性は低いととらえる説は、高度な政治性はあるとして、政治規範として尊重すべきであるとする性格を強く打ち出しています。


国民は長年「法規範性も裁判規範性もあるととらえる説」を意識していた印象がありますが、政府見解はどちらかと言えば2番目の「法規範性はあるものの裁判規範性は低いととらえる説」に近く、それが高じて「理想的規範として法規範性はないととらえる説」に寄っているといった印象を与えています。しかしそれでは国民との間の認識に相違がありすぎますので、「双方が認められつつも国際情勢が変化していることを受けて憲法の変遷が求められているとする説」に近しい方向性を打ち出しています。もともと第1項にある「国際紛争を解決する手段としては」の文言が、パリ不戦条約にある「國際紛爭解決ノ爲」と著しく類似していることから、「国際法上の用例」を尊重するか、一切の戦争を放棄するととらえるかにおいて、法解釈は分かれるところのものです。

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